「ふーっ、お水が美味しい・・・」



ソフィーは客室のトイレで思いきり吐き、小さな冷蔵庫を開け冷たい水をゴクリと飲んでいた。


改めて部屋を見渡してみると、一人部屋なのにダブルサイズのベッドや、彫刻が施されたテーブルに大きなアンティークの椅子、天井にはシャンデリア。


(私の家でもこんなにデカいシャンデリアは無かったな、でも王宮だからこんなものじゃ・・・)






なんだか王宮に来た実感が湧かず落ち着かない、辺りをウロチョロしているとトントンと扉をノックされた。


「ユーティリア様、開けても宜しいでしょうか」



「・・・?はい、どうぞ」



返事をするとガチャっと扉が開き一人のさっきのお妃様御付きの執事さんと、その後ろに隠れる様にメイドさんらしき人が入ってきた。




「ユーティリア様、お休みになられていた所を申し訳ございません」



「あ、いえ、構いません。落ち着かずにウロウロしていた所で」


「そうでございますか・・・あぁ、ご挨拶が遅れました。私はお妃様の専属執事、リアムと言います。お見知りおきを」



「ソフィー・ユーティリアです」





ピシッと黒の執事服を着こなすリアムさんはたぶん30代ぐらいのまだ若い執事さん、隣のメイドさんはもっと若いな・・・。