かれこれ10分。

私はE組の教室の後ろのドアとにらめっこしてる…。


もうドアが何勝したかな。

もちろん笑っちゃって負けてるワケじゃない。

泣きそうな顔になっちゃって負けてる。

その度に、ドアが重たくなっていってる気がする。

未知の領域へのドアの存在感って半端ない…。


また5分経とうかというその時だった。


「…そこの人。」


背後から声がした。

振り返ると_____男の子がいた。


綺麗な顔の男の子。


「入らないならどいて。」


声のトーンも高すぎず、低すぎず。

大きすぎず、小さすぎず。

あ、いや、どっちかと言うと小さいかな。


あれ、でも待って。

何か…