【杏奈サイド】


私は重い足取りで学校へと向かっていた。


また、辻くんが声をかけてきたらどうしよう…


まあありえない……って思いたい。
だって彼が私みたいな普通の人に声をかけるわけがない。

でも、もしかして……昨日は私がいつも1人でいるのを見て話しかけてくれたのかな?





うーん……
昨日は私もまずかったかな。
声かけてくれたのに何も話さなかったとか……


でも、何話していいかわからなかった


それは彼がイケメンだからとか女子みたいなことは言わない。


友達がいなくて常に1人だった私はコミュニケーションを取る方法をすっかり忘れてしまっていた。


だから彼に限らず誰に話しかけられても上手に話すことはできないだろう