澪月side

「あらぁ、また来てくれたのね。あら、そちらの子は初めてかしら?」
「はぁい。昨日まで入院してて来れませんでしたがお友達の弓景眞白です。」
「お友達が増えて嬉しいわぁ。」
ささ、あがってあがって、とお母さんに促されて家に入る。
「理駆達は2階にいるわ。自分のうちだと思ってちょうだいね。」

「じゃあ、行くか。」
奏汰先輩に続いて2階へ向かう。

「「ようこそ、不思議の国へ。」」

不思議の………国…。
呆気にとられている私たちをよそに理駆先輩達は話し続ける。
「とりあえず、何から話そうねぇ。僕達って何話してなかったっけ?」
「知らない。」
「えぇー、じゃあ、とりあえず僕達の家族について話そっかぁ。写真写真……。」
「ここ。」
「ありがとー。」
そして、一枚の写真を取り出した。


「これ………。誰。」
「見覚えなぁい。」
「……誰ですか。」
「澪月ちゃん、知ってる?」
「…分かんない…。」
誰だろう。髪が長い女の子と、その横にいる犬の上にいる男の子。2人ともすごく笑顔。その両脇にはその子達の親だろうか。男女が並んでいる。

「これが、小学生の頃の僕達だよ。」

そして、理駆先輩は話し始めた。荒垣家について。