次の日。部屋の外からの鼻歌で目が覚めた。

_______________なんで鼻歌が聞こえるんだろう……。

「……あ。哀川さんか………。」
「ひ、緋山君!起こしちゃった?」
「いや、別にいいけど。」
本当なら変な風に起こされて機嫌が悪くなるところだと思うけど、今日は別に何も感じなかった。

「掃除してるの…?」
「うん。平日は緋山君が起きる前とか、バイトの後、緋山君が寝たあととかにやってるの。休日は緋山君とたくさん話せるようにね。」
「そう……。言ってくれたら手伝ったのに。」
「えへへ。でも、家事とかするのが好きなの。人のために何が出来るっていいことなんだよ。」
そんなふうに考えられる哀川さんはやっぱり優しすぎると思う。僕は人の為なんて面倒だからやらない。

でも、哀川さんのためならいいと思う。