澪月side

病室に入ると眞白先輩がベッドに腰かけていた。
「眞白先輩!」
「みっちゃん!?」
眞白先輩は驚いた顔をする。
なんで、なんでそんな所にいるんですか。
なんで学校を辞めちゃうんですか。
なんで私たちから離れていってしまうんですか。なんて、沢山言いたいことはあったけど。

「良かったぁ。」
眞白先輩が無事で、もっと遠いところに行ったとかじゃなくて。
「弓景君、俺たちに何も伝えずに出ていくなんて許されないな。」
「ちゃんと事情を話してください。」
「弓景がいないと盛り上がらないからね。」
「理駆、つまらないから。」
「眞白ちゃん、澪月ちゃんを泣かせるのは許さないよ。」
各々が声をかける。が、眞白先輩は俯いたまま。
「眞白先輩?」
「ダメだよ、みっちゃん。せっかく、決心がついたのに……。」
緋山君と澄君はただ黙っていた。

「弓景先輩は信用してないのか?」
澄君が言う。
「…っ、そっか。君だね、ここまでみっちゃんたちを連れてきたの。」
「はい。ちなみに先輩のこと、知ってますよ?あ、螢には伝えてあります。」
「……はぁ、弓景先輩は死ぬのは怖くないんですか…?」
え、待ってよ。死ぬってなに?
なんて、聞ける雰囲気じゃない。