ケータイ小説 野いちご

スクールシンデレラ

第3章 雑用係

「では、文化祭でのクラスの出し物を決めます。意見がある人は挙手してください」

「はい、は~い」

「遠野さん」

「お化け屋敷が良いと思いまーす。うちのクラスにお化け役がお似合いな人が居るんで~」


教室の中央から私に視線が送られてくる。

クラスに数秒間だけ、小さな波ができた。


「お化け屋敷よりもメイド喫茶の方が面白いと思う。男子の女装とか盛り上がりそう」

「いやあ、占いでしょ。霊媒師みたいな服着たら、いかにもって感じで…」

「お笑いは?」

「手品、手品!!」


よくもまあこんなに盛り上がれること。

私は別に何になっても構わない。

流れに乗るだけ。

意見したところで無視されるし、何をやろうと笑い者にされる。

はっきり言って、文化祭なんてない方が良い。

いや、文化祭だけじゃなく、学校でやる全ての行事がなくなって欲しい。

その分、休みをください。
心が疲れます。



ぶつぶつ心の中で独り言を言っている間に話はどんどん進んでいく。


知らぬ間に黒板には候補の出し物が書かれていた。

「では、多数決を採ります。どれか一つに手を挙げてください」

委員長の鶴の一声で多数決が始まった。

お化け屋敷、バンド演奏、カフェ、占い、手品、演劇がどうやら候補らしい。

私は手を挙げず、じっと目をつぶって結果が出るのを待った。



「おお!接戦ですね~。…ーーあっ、決まりました」

「結果、早く教えてー」

「早く、早く」


みんなが急かし出したところで、委員長がコホンとわざとらしい咳払いをした。


「結果を発表します」


クラスのおちゃらけ男子がドラムロールの効果音で教室を盛り上げる。


ドドンーーーーー


教室に一瞬静寂がもたらされる。


はあーーーっ


「演劇です!」



「ヤッター!!」

「おいおい、まじかよ~」

「演劇なんてできねーよ」


教室中から様々な意見が飛び交う。

委員長が二度目の咳払いでその場を仕切り直す。


「まあまあ、落ち着いて。演目は簡単なのにしよう。台詞が簡単で、分かりやすいヤツ。ーーーなんか、ないかな?」

「白雪姫とか…」

「いやいや、赤ずきんちゃんでしょ」

「あんたたち、何考えてんの!?シンデレラがいっちばんじゃない!」





シンデレラ…





「それにしよう!」

遠野さんが言ったことは絶対だもんね。

やるしかない、か…

「じゃあ、早速、配役決めよう」




どうせ

どうせ

どうせ私は…

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