俺はいつものようにこの大きな病院に1人来ていた。


「失礼します。」


「おお、魁音君。1週間ぶりだね。体調はどうかな?」


「別に何もありません。」


「そうか。・・・・・・学校に行ってないって聞いたけど。」


「行く意味無いじゃないですか。それに、やりたいことやってればそれで十分です。」


高校2年の夏、俺は生きることを諦めていた。


だって、仕方ないんだ。


「魁音君の余命はあと1年です。」


そう、言われたから。


昔から心臓が弱くて何度も入退院を繰り返していた。


お母さんはそんな俺に何も言わなかった。


ただ、お見舞いに来て、


「大丈夫だよ。魁音なら大丈夫。」


小さい頃の俺ならうんってすぐ頷けたけど今は無理だよ。


自分の病気が治らないことも、ある程度感じていたから。


俺が担当医に余命を言われたのは高校1年生の夏休み。


それまでは病院に通いながら学校にも行っていた。


友達だって出来た。


何より友達とギターを弾けることが楽しかった。