「…ねぇ見た?野村課長のお弁当」
お昼時の社員食堂で、最近話題になってる話を耳にする。
「見た見た。今日はハンバーグが入ってたね」
「彩りにはグリーンアスパラ、オニギリはふりかけの混ざったコロコロタイプだったよ」
「ミニオムレツとミニトマトも入ってたような」
「ああーいいなぁ。美味しそうー」
キャーキャーと燥ぎながら通り過ぎて行く女子の群れを横目で眺め、モグッと自作の弁当をつつく。
話題の中心になってるのは、庶務課の課長のお弁当の中身。
いつも色がキレイで可愛くて、美味しそうだね…と皆の噂に上る。
「インスタにあげればいいのに」
「そんなのもうしてるって」
「誰がよ」
「そりゃ勿論……ね?」
「うん、決まってる」
「……奥さんか」
はぁ〜…っと一気にテンションが下がるテーブルの雰囲気を感じ取りながら、モグッとご飯を噛みしめた。
「葉月」
「何?」
モグモグと噛んでる時に話しかけられると舌を噛んでしまいそう。
「少しは話に乗ってきなよ。付き合い悪いぞ」
同じ庶務課の杏梨ちゃんが笑い、まっ、そういうクールなとこが葉月だけど…と言いだす。
「私は別にクールでもないよ」
そう言って微笑み返し、お弁当の鮭の切り身を口に頬張る。
お昼時の社員食堂で、最近話題になってる話を耳にする。
「見た見た。今日はハンバーグが入ってたね」
「彩りにはグリーンアスパラ、オニギリはふりかけの混ざったコロコロタイプだったよ」
「ミニオムレツとミニトマトも入ってたような」
「ああーいいなぁ。美味しそうー」
キャーキャーと燥ぎながら通り過ぎて行く女子の群れを横目で眺め、モグッと自作の弁当をつつく。
話題の中心になってるのは、庶務課の課長のお弁当の中身。
いつも色がキレイで可愛くて、美味しそうだね…と皆の噂に上る。
「インスタにあげればいいのに」
「そんなのもうしてるって」
「誰がよ」
「そりゃ勿論……ね?」
「うん、決まってる」
「……奥さんか」
はぁ〜…っと一気にテンションが下がるテーブルの雰囲気を感じ取りながら、モグッとご飯を噛みしめた。
「葉月」
「何?」
モグモグと噛んでる時に話しかけられると舌を噛んでしまいそう。
「少しは話に乗ってきなよ。付き合い悪いぞ」
同じ庶務課の杏梨ちゃんが笑い、まっ、そういうクールなとこが葉月だけど…と言いだす。
「私は別にクールでもないよ」
そう言って微笑み返し、お弁当の鮭の切り身を口に頬張る。