「はいはいお前ら席つけ〜」
水曜日の4限目、全学年決まってHRの時間。
今日も今日とて、私たちの担任教師である桜井春樹(さくらいはるき)先生は、
名前に似合った爽やかな笑みを浮かべている。
生徒からは親しみを込めて“ハル先生”と呼ばれているし、とても好かれている。
まあ、実際かっこいいとは思う。
…もちろん私の隣で眠そうにしてる神田くんには敵わないけどね!
私の脳内で、そんな失礼な会議が行われているとは知らないハル先生は言葉を進める。
「今日は、なんと!6月の終わりにある体育祭の委員決めをしたいとおもいまーす!」
「げっ」
「げっ、とはなんだ野々宮」
「ナンデモアリマセン…」
げっ、って声が漏れちゃったのは私だけだけど、周りもみんなそんな表情してるのに気付いてないのかな、ハル先生。
それもそのはず、ハル先生は実は体育教師で、爽やかな外見と名前に似合わず“体育祭ガチ勢”。
それも、異常なくらい。