ケータイ小説 野いちご

才華龍学院 Ⅱ

第1章
全国代表戦 出発


「あー、久しぶりに帰った気がするー!」

燐たちは学院の寮にいた。

全国代表戦の都市代表選に出場するために一時的に華龍都市に戻っていた燐たちだが、

「代表に選ばれた次の日にまたアルカ島行き」
「そして、地獄の訓練……死ぬかと思った」

燐と堺人の部屋でぐったりしている堺人、紅葉、柳。

「そりゃね。だって朧月さんを本気にさせると吐くまで訓練続くし…」

燐とアーミャはその時のことを思いだし、少し青ざめている。

「扇さんや獄さんの性格がああなのも育ての朧月さんからなのかもな。」

柳の言葉に ありえる と全員が頷いた。

「明日は壮行会、次の日に会場に向けて出発ですね。」

紅葉は綺麗にまとめられた手帳を開く。
楓、薬はそのままアルカ島に残り、行動すると最後に言い残した。

「……ところで、なんでいるんですか?師匠と獄さん……」

アーミャの後ろで椅子に座っている扇と獄。
(燐たちは座布団を敷いて床に座っている)

「いや~私の部屋狭くて…ハハハ」

扇は転校生ということもあって、ペアがいないため、一人部屋をとっていたのだ。

「俺は、明日からこの学院に転校することになった。

と、言っても全国代表戦の学院代表小隊の案内役として来ただけなんだが」

獄は扇と同じく苦笑いであった。

「それで、獄と二人部屋をとったんだけど、準備があるとかで、ちょっと時間がかかるんだよね」 

なるほど とアーミャはニヤニヤ顔だ。

つまりは、部屋に行けるまで待つのにロビーでは獄の容姿は目立つ

それを面白くなかった扇は燐の部屋に来たのだ。

グリムズでもモテモテである獄。
当然、学院生でない美男が来れば、大騒ぎ。

十分、扇も美人でグリムズでもモテモテであるのだが…

「まぁ、だから少しだけここにいさせてぇー」

扇は手を合わせて言った。
燐と堺人は どうぞ と許しを出した。

「ところで、ハーメルンの動きはどうなんですか?」

燐は情報を持っていそうな扇に聞いた。

「んーそれがまだ分からないんだよね。
陰と陽はまだ帰って…………なに?」

話の途中で扇は耳をおさえた。
いや、性格には耳につけている通信機だ。

「……そう。わかった。」

扇は内容を聞き通信を切った。

「タイミングよく、陰と陽が帰ってきた。
光国にあるハーメルンのアジトは3つ確認されてて、

陰と陽が潜入したのは旧影国の北側に位置しているリテルト山。

侵入して、わかったこと

・出入口の扉は月の一族の文字が記されていた
・そのアジトに私たちが戦ったあの呪いを使う子がいたこと
・その子たちを合わせて計120人の呪いや特殊な魔法を使う孤児がいること。」

扇は淡々と要約をまとめて話した。
それに、堺人たちは驚いた。

ハーメルンは多くの孤児を集めていた。
しかも、普通ではない子たちを。

そして、襲ってきたあの2人や燐(ダーインスレイヴ)が殺した黒いローブを着た者も、望んでやっているわけではないようだ。

「消滅の呪いを使っていた子がしていた首輪…あれは命令に背くと首が縛るようになっている道具らしくて、

孤児たちはハーメルンのいいなり…難しいね」

扇は ウーム と考える。
それは、燐たちも同じであった。

だが、グリムズメンバーの考えはやはり倒すことであり、孤児であって自分からハーメルンに行った訳でなくても…

ハーメルンにいる限り倒すのみ。


それは命を奪うことであってもだ。


もちろん、孤児側から 助けて と言われば助ける。

だが、今回はそう簡単にいかないし孤児側はその助けを諦めている。

そう、陰と陽はいったのだ。

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