「こんにちは…でええんかいなぁ?」

蜘夜と同じ口調で似た顔立ちの女性…蜘蔬は少し苦笑いで口を開いた。

「なんでや…」

そこで、蜘夜が呟いた。

「ん?」

蜘蔬は内容は分からなかったが何かを言ったが分かり聞きたえした。

「なんで!」

蜘夜はそう叫んで影隠の大鎌を召喚し、蜘蔬に向けてふった。

「いきなりやなぁ…ヒヒ

闇暮のセト (やみぐらしの)」

蜘蔬は歪な笑い声を漏らしながら蜘夜がもつ影隠の大鎌に似た大鎌を召喚した。

キーンと鎌と鎌がぶつかり合う。

「なんで、今になってなん…何処におったんや!」

涙目になって叫ぶ蜘夜は怒りと悲しみと様々な感情が入り交じっていた。

「おおぉ、力強ぉなっとるやんか蜘夜。
せやけどな、そんな感情むき出しやとなんも守れへんでぇ?」

蜘蔬は闇暮のセトを影隠の大鎌に引っ掛けるとクルンと一回転させた。

すると、蜘夜の手から影隠の大鎌が抜けた。
無駄のない動きで2人の対決(?)は呆気なく終わってしまった。

はたから見ると簡単にやったように見えて相手の隙をつき大鎌を奪う技術が必要だ。

「蜘夜、落ち着いてください」

その場に崩れた蜘夜にレインが側による。
困惑しているのはレインも神無月も一生だ。

「…間近で見ると…背が高いですね…」

レイリはレインの隣に来ると観察するように見てきた。

「そりゃ…私はもう高校生ですよ?
もちろん背は伸びますよ」

レインは頬を膨らませる。
レイリの言葉が少しショックだったようだ。

「それで、今までどこにいたんですか?」

レインはレイリ達をまっすぐ見た。
姉妹たちは8歳離れており、蜘蔬達は今年で24歳。

蜘夜たちが8歳あたりの時に突然姿を消したのだ。

「…それを今日はゆっくりと語るつもりです」

レイリは無表情で答えた。
だから、早く座りなおせ と目が訴えていた。

それに感ずいていた扇は まぁまぁ と姉妹たちの間に入り蜘夜たちは座り直した。

「まぁ、一応紹介するね。右から

冬枯 蜘蔬さん、風花 レイリさん、零堂 水無月さん。

3人はみんなの知っている通り光国で最強の魔法師であるね。

元光国軍特殊部隊に所属し、様々な任務をこなしてきた超エリート。」

扇は一旦そこで切って蜘蔬たちを見た。
蜘蔬、レイリ、水無月は扇の視線に気が付き、それぞれ頷いた。

「ここまでは、みんな知っている事だと思う。

でも、私たちのとらえかたは違うかな。
3人は私、獄、周に魔法のいろはを教えこんだ師であり、燐やアーミャたちの先生でもある。」

扇の言葉に驚いた蜘夜たち。
これはグリムズにしか知らないことだ。

「せやな。うちらはな疲れたんや。
この世界の裏を見るっちゅうことに…」