雨が降る中、ふたりでお菓子を買いに出かけた。
「あの飴玉あるかな?」
「あの飴玉?」
「うん!美沙にあげたでしょ? あの飴玉ね、今から行くお店にしかないの。美沙も買うでしょ?」
「うん」
傘を差し、手をつないで歩く。
「あ、遙花信号赤になっちゃう走らなきゃ」
手をひいたまま点滅している横断歩道を走る。

…!!

急ブレーキの音と共につないでいた手はほどけた。
雨の音、サイレン、人の叫び声…。
ズキズキとする痛みの中で目を開ける。
目の前には血の海が広がって見えた。
遙花どこ…?
目が霞むなか探す。
そこには血を流して倒れている遙花がいた…。
「遙花っ!!!」