マヤがこの町に来たのはもう10年も前になるらしい。


新入りのマヤを歓迎した町人だったが、マヤは人に頼ることはなかった。


1人で山の中に籠り、洞窟で暮らすようになったのだ。


そんなマヤを気にして洞窟へ足を運ぶ連中もいたけれど、マヤはそんな人たちをないがしろに扱った。


『助けてほしいなんて言ってない』


『1人でも寂しくはない』


そんな言葉を使い、自分からみんなを遠ざけた。


最初はそんなマヤを見ても不器用な性格をしているのだと思っていた町人たちだが、マヤには別の目論見があった。