明るい。
カーテンで部屋の中への日差しは遮られているはずなのに、眩しくて真紅は意識が覚めた。
「ん……?」
「真紅ちゃん、おはよう」
「……ママ?」
快活に言って来たのは、カーテンを開けている母だった。
その向こう――いつもと同じ風景は隣の家の樹しかないそこに目が行って、ゾクッと背筋を氷塊(ひょうかい)がおりた。
真紅は視線を室内に逸らす。
「は、……早いね?」
「うん。真紅ちゃんに話があって……大事な話だから、ちょっと時間を取りたいの」
「話?」
真紅は敷布団の上に座った。紅亜は、その脇に正座する。