初、呼び出しを喰らいました。
 

校舎裏の壁に追い詰められて、真紅は内心唸った。


目の前にいるのは、クラスの中でも派手な方の女子が三人ほど。


……今までは地味―に嫌がらせをされていたけど、とうとう正面切ってきたか……。


「何回も訊いて正直こっちも悪いなあとは思ってるんだけどね?」
 

いや、悪いと思ってる囲み方ではないよね。


真紅は思うが、それは火に油なことくらいはわかる。


「桜城くんと付き合ってない、で、合ってるんだよね?」
 

真紅は何度目になるかわからないけど、肯いた。


……それでも、こう何度もこういう目に遭ってるとなあ……と、多少自棄になっていたフシはある。
 

言ってしまってから、後悔した。


「本当にそれは誤解。私、彼氏いるし」


『……え?』