「うぅ...」
嫌な夢を見たせいか、体が重い。
カーテンの隙間から光が射し込む。
朝だ、起きなきゃ。
今日は、高校の入学式だ。眠いだるい。
さぼろーかなぁ?なんて考えながらベッドでごろごろしていると、

「麗!さっさと起きて、朝御飯食え!入学早々遅刻するつもりか?」
ウワァ、ウルサイ
来たよ、襲来したよ、降臨したよ...。
「こうがにぃ...ウルトラうるさい」
こうがにぃというのは、わたしが一緒に暮らしてる叔父だ。
両親は海外のIT企業で働いている。私は、日本が好きでここに残ったんだ。

あ、叔父っていってもまだ26だから若いんだけどね...。
毛布の上を呑気に転げ回っていると、
「ふっ...」
こうがにぃが少し笑う声が聞こえた。
ミルクブラウンの髪、きめ細かい肌
通った鼻筋、優しそうに見せるような少しのたれ目。
忘れてたけどコイツイケメンだった。
そんなことを考えながらボヘーッとしていると、顔が近づいてきた。
なにもされないとわかってても、どきっとしてしまった。
イケメン怖ぇ

しかし、顔を近づけてきたイケメンは耳元で

「早くしないと...お前の好物俺が食うよ?」
と悪魔のおことばをささやいた。

イケメン怖ぇ