若葉とはじめて会話をしてから数日がたった。


なんだか背中が寒い。


よくわからないけど、最近うしろから妙な視線を感じる。


まだ冬になったわけでもないのに、この寒さは異常だ。


何度かたしかめようとうしろを見たが、気のせいなのかと思うほど変な視線を向ける人はいない。


どうしてなんだろう。


疑問を感じた私は、このことをすぐに由良に電話して伝えた。


『嘘……それ、本当⁉︎』


「うん……」


相当びっくりしているようだ。


言葉を聞く前に、スマホ越しでなにかが割れるような派手な音が聞こえてきたから。


『うーん……でもそれって、気のせいなんじゃないの?』


なにかが割れたような音がなかったかのように、冷静に対応する由良。


それでも私は首を横に振って答えた。


「私も最初はそう思ってたよ。でも、その視線を何度も感じたんだよ? さすがに気のせいではないと思うんだよね……」


そう言ったと同時に、背中になにかが這うような感覚に襲われる。


これは確実にあの視線のせいではないけど、奇妙な視線を感じる感覚を覚える。


寒い……!


あまりの寒さに思わず腕をさする。