…あれ……


ハッと目を開けると
そこは見慣れない家の前だった。


空は暗く、見渡す限りもやに包まれていた。


え、ここ、どこ!?


驚いた私は周りを見回した。


するとぼんやりとしてる視界を凝らす私の目に家の表札が映った。


『松林』……ここ…松林君の家!?


理解した途端に家の扉が開いた。


そこから
1人の男子が出てくる。


あ……松林君!?


しかし出てきた彼の様子は予想外のものだった。


『う、ああぁ!やめろ…やめろおおお!』


…絶叫しながら首を掻き毟り


ふらふらと歩く彼。


え…どうしたの!?松林君!


呼びかけても答えず、


狂ったように叫び続ける。


これは……普通じゃない!!


すぐに察して追いかける私。


その自分の足が裸足だということに気づき、


服装を見るとパジャマ姿だ。


これはもしかして…夢?


それにしては随分リアルだな、なんて軽く考えながら松林君を追う私。


何分か
彼を追いかけていると、いつの間にか
恐るべき場所にたどり着いてしまった。


え…うそ…なんでここに!?


かくかくと足が震えた。