あの日、理帆がいなくなった後、宗一郎さんは怒ったように言った。



「あいつが裏切り者であろうがなかろうが本来なら関わっちゃいけないけど、俺はアイツを止めるためにお前らに協力する。」

「宗一郎さん…」


「理帆を止めるんですよね。」


「ああ。俺の代の幹部も全員呼ぶ。」



決心をしたような顔ではっきりと言っていた。


理帆が何を考えているのかわからなかったが、今は目の前のことに集中しようということになった。


抗戦まであと1週間になった。


あれから理帆は学校にも行かずにひたすら繁華街でケンカをしていた。


体力をつけるために走り込みをしたり、複数の人が一気に襲ってきたらどうするかなどとイメージトレーニングをした。


正直に言うと役に立っているかどうかは不明だけど…


それでも何かをしてないと、宗一郎の悲しそうな顔が頭に浮かんでくる。



『私の人生を…大好きなあなた達にわかってもらうために捧げます。』