ボクと美咲が出合ったのは3年前の春だった。


ボクが勤めていた会社に美咲がやって来たのだ。


若くて初々しい美咲は最初戸惑い、何をするにしても困った顔をしていた。


そんな美咲を見ていたボクは、何度も美咲に手を差し伸べた。


どんな些細な事でも見逃さず、美咲が困っているとすぐに駆けつけた。


ボクは彼女のスーパーマンになりたかったのかもしれない。


やがてボクらの距離は縮まって行き、手を繋いで歩くようになった。


美咲はとても無邪気に歌を口ずさみながらボクの隣を歩く。


歌に夢中になりすぎて、道を間違えそうになったことも何度もあった。


真っ直ぐで、とても純粋な美咲。