1人で外へ出ていると、美咲の様子が気になって仕方がなかった。


眠っているから大丈夫だと自分に言い聞かせても、のんびり買い物をしている余裕なんてない。


スーパーに到着すると走って売り場を探し、必要な物をボンボンとカゴに放り込んでいく。


今晩のおかずと明日の朝食を頭の中で考えながら、美咲の好きな食材を手に取る。


美咲はボクの作るご飯をいつも美味しそうに食べてくれる。


「料理の天才だよね」


そう言って、米粒1つ残さずに食べてくれるんだ。


思い出すと顔がにやけてしまったので、ボクは慌てて頬を引き締めた。


大の男がニヤニヤしながら買い物をしていたら、不審者と思われてしまう。


「よし、こんなもんかな」


最後にビールをカゴに入れて、ボクはレジへと向かったのだった。