ともあれ。 手がかりをつかむには山本の洋学所までゆかなければならない。 しかしさいわい。 仏光寺から洋学所の河原町御池まで、さまで遠くはない。 「ならば訪ねてみよう」 その日は菅原屋の紹介で本願寺の宿坊に素泊まりし、読経を済ませたあと河原町をめざして歩いた。