「…………っ……」


「はい、消毒完了!あとは、絆創膏を貼っておくわね」


「ありがとうございます…」


壱夜くんに、半ば強制的に医務室に連れて来られた私。


優しい看護師の女性に、傷口の処置をしてもらった。


「それじゃあ、私は隣の建物にある事務所の方に行かなきゃだから少しの間だけ席を外すわね。さっきの付き添いの男の子は?」


「あっ、えっと……友達に電話をしてくるって言ってたので、もうすぐ戻って来ると思います」


「そっか。それなら、彼が来るまでソファに座って待ってて貰って構わないからね?」


「はい、すみません」


「じゃあ、お大事に」


看護師の女性は穏やかな笑顔を私に向けると、医務室を出て行った。


私だけになった部屋は、遊園地にいるとは思えないぐらい静かな空間だ。


壱夜くん、電話終わったかな…?


ケガして医務室で手当てしてるなんて言ったら、桃舞くんたちビックリするだろうな…。


私は、絆創膏の貼られた左手を見つめた。