昔、昔。


いや、もしかしたらそんなに昔じゃないかもしれない、そんな時代。


とあるところに赤ずきんと呼ばれる少女がいました。


少し癖のある自分の赤毛が嫌いで、それを隠すために自分の部屋にいる時以外ずっと帽子を被っていることからそう呼ばれるようになりました。


え、ずきんじゃないのって?


それは私も知らないのです。


あれじゃないですか?流行ってやつ。


まあまあ話を続けましょう。


少女は何に対しても誰に対しても無関心で、何を考えているか分からない少し変わった子でした。


そして、ご察しの通り友達もいないという悲しい子でした。


そんな少女の母は、我が子はこのままではいけないと色々とやらせ、何か一つでも興味を持たせるものを作ろうとさせました。


しかし……どれも少女には無意味な行動にしかなりませんでした。


少女の母親は打つ手はもうない……と諦めた時でした。


そんな時に赤ずきんの祖母から手紙が届きました。


これに賭けるしか!と思い立ったは母親は、赤ずきんを祖母の元へ見舞いに行かせることになりました。


終わり。


……なーんて、少女はどうなったと思います?


え、気になっちゃいます?


教えてほしいかあ……ふーむ。


じゃあ、話してあげましょう。




とある赤ずきんと呼ばれた少女と




――彼女に恋をした狼のお話を。