次の日……




「仕事後、会社まで迎えに来て」と戸崎にメールを送った。

戸崎に会社まで来るのはやめてと言ったのはあたしだ。

人気者の戸崎と付き合っていることを知られると、貶されるのはあたしだから。

そう思っていたが……

今はそれどころではない。

剛君に待ち伏せされるのが怖いのだ。




戸崎から、どうしたんだとメールと電話が入っていた。

口は悪いが、戸崎はこうやってあたしのことを大切にしてくれる。

そんな戸崎を、これ以上裏切ってはいけないと強く思う。

そして、ビクビクしながらビルを出たあたしに、



「よぉ」



昔のように、戸崎は話しかけた。