ーマキsideー







初めて柊と話したのは、高校一年生の夏だった。

当時から戸崎は目立っていて、女子に囲まれていた。






「ねえねえ!柊が来たよ」




友達があたしの手を引き、二人で走る。

柊の周りにはいつも女子がいて、きゃあきゃあもてはやされていた。

そんな中を、柊は自慢げに歩く。




「柊、おはよう!」



「おはよう、愛ちゃん」



「柊、今日もかっこいいね」



「だろ?抱いて欲しいか?」




女子はそんな甘い言葉を吐きつつ廊下を歩く。

そしてあたしの前を通り過ぎようとした時……

みんなみたいに、思わず声をかけていた。