「夏祭り行かない!?」


突然瑚春が電話を掛けてきたと思ったら急に言われた。


「ごめん。唐突すぎて意味わかんない。」


「だから、明日のお祭り!!隣町のやつだよ。ねぇー、息抜きしないと勉強だってやってらんないよーー。お願いーーー。」


「分かったよ。でも私浴衣ないんだけど。」


「んー、浴衣はいいよ。怜香が来てくれるだけで嬉しいから。」


さらっと恥ずかしげもなく言う瑚春。


「わ、分かった。後で時間と場所送ってね。」


「りょーかい!!」


電話を切ると丁度璻が帰ってきた。


「おかえりなさい。」


「おぅ、ただいま。電話してたの?」


「うん。瑚春に明日のお祭り一緒に行こうって言われた。」


「へー。良かったじゃん。あれ?じゃあ浴衣着るの?」


「思ったけど、私持ってないから。」


すると璻が何か考えたようにして言う。


「浴衣なら俺がどうにか出来るわ。」


「え?どういうこと?」


私が聞くと誰かに電話し始めた。


「あっ、もしもし?うん。そう。お願いがあるんだけど。・・・・・うん。あの花柄の紺色。そうそう。帯は任せるわ。・・・・うん。じゃあな。よろしく。」


「璻?誰と話してたの?」


「明日までのお楽しみーー。まぁ、俺からのプレゼントだな。」


そう言って何も教えてくれなかった。


プレゼント?なんだろ?


私はよく分からないまま次の日を迎えた。