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全身で風を感じる。



両方の腿に気合いという鞭を打ち、リズムよく地面を蹴る。



息が苦しくて、無我夢中で足を動かす。



そうして駆け抜けた先、ゴールテープを切る。



駆け寄って抱きついてくる仲間。



みんな嬉しくて、涙が頬を伝っている。



あたしはこの瞬間が好きだった。



────でも今のあたしには、もう感じることのない感覚。