◼相馬side◻



「兄さん!」


大量の書類。
それらを片していた相馬の元に、弟である双子の片割れが駆け寄ってきた。


「水樹?」

御園水樹。
五人兄弟である御園家の中で、下から二番目の双子の兄水樹は、元気一杯に相馬の机を叩いた。


「…なんだ?」


年は、16。
相馬が18だから、2歳差。


「…水樹、走っちゃダメ」


続いて現れたのは双子の弟である、御園氷月。


水樹とは対称的に大人しい氷月は、ちゃんと常識を分かっている奴らしい。


少なくとも、いきなり会社に現れて、社長室に乱入し、机を殴るような常識はずれではない。