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【短編】先生、好きです。

『私と先生』

好きって、何だろう
好きな人と結ばれるって、どんな感じなのかな……

ずっと、好きだった。
今も、好き。

だけど、私と先生の関係は…あくまでも『私と先生』。『生徒と先生』。『塾生と塾講師』……。

結ばれるなんて、きっと無い
先生と結ばれるなんて、私の為に美しく彩られた素敵な夢物語……私を酔わせようとする、甘いチョコレートのようなもの

小さい頃好きだったおとぎ話ではお姫様は王子様のキスで目覚めたけれど、私は王子様のキスで目覚めるお姫様なんかじゃない。
どこにでもいるような、ごくごく平凡な女子高生。王子様のキスなんて、待っていられるようなご身分じゃない。

何度も忘れようとした。
離れていた2年間、忘れようとした。
少女漫画によくある『優しくてカッコイイ年上のお兄さんに対する憧れを恋と錯覚しちゃった』のかもしれないと思ってみたり、彼氏を作ってみたり、中学の同級生の男子と遊んでみたり……
でも、忘れられなかった。いつも、先生と比べてしまった。
「あ、きっと先生だったらこう言ってくれるだろうな……」
「相手が先生だったら、もっと素直になれるのにな……」


そうして想い続けて、また出逢った。
本人を前にすると、「やっぱり好きだな……」って思った。大好きなんだって。

でも、再会した今も関係はやっぱり『私と先生』。『生徒と先生』。『塾生と塾講師』のまま。

ある日、いつも通り先生に個別で英単語を教えて貰ってたら、
「俺と○○は先生と生徒だから教えてるけど、やっぱり友達と教えあったりする方が覚えられると思うよ?お互いの為にもなるし。」
そうやって急に言われた。

ショックだった。
『先生と生徒』っていうフレーズを先生の口から聞いたことがショックだった。
「あぁ、やっぱりこの関係の壁は越えられないんだ」って。

それでも先生はその後もいっぱい私と話してくれた。いつもと同じ笑顔で、傍にいてくれた。

『私と先生』っていう関係は、きっと越えられない……。越える勇気もない。
だけど……
私は、先生のことが大好きです。
ずっと、ずっと大好きです。

でもね、叶わないって思ってるから寂しくなるんだ。
好きな人と結ばれるって、どんな感じなんだろう?両想いって、どんな感じなんだろう?って。

寂しくて寂しくて人の温もりが恋しくなって
寂しくて寂しくて涙が溢れる

……私は、どうしたらいいんだろう……?

寂しくて寂しくて仕方ないけど
人の温もりが欲しくて、強がらずに涙を流せる場所が欲しくて仕方ないけど

私はこれからも強がって涙を流さず
ずっと先生を想い続けるんだ……








【お知らせ】
短編としてこちらの作品を完結させていただいていたのですが、シリーズ化させることに致しました。様々な視点からの先生×生徒という恋愛を表現出来ればと思います。そちらも応援いただけると嬉しいです。

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