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次の日。スマホで設定したアラームが鳴っていつもどおりの朝。まだ昨日の余韻が続いていて夢の続きでも見ているような気分。

気を抜けば寝てしまいそうな睡魔を必死で打ち消して、ゴロンと体勢を変えると目の前には顔。


「まりりん、おはよ」

「きゃあ……んんっ!」

ビックリして悲鳴を上げそうになったけど、それを晶くんが手で制止する。


「大声を出したらまりりんの両親に気づかれちゃうでしょ」

なぜか馬乗りにされて口を押さえられている状況。頭が回らないのは寝起きだからではない。


「な、なんで晶くんが私の部屋にいるの?」

しかもベッドの横で添い寝をするように横になっていて。普通なら不審者で警察に通報してるレベルだ。


「うーん、今日はなんだか早起きしちゃって。
まりりんの顔が見たくなったから遊びにきた」

色々とツッコみたいところが山ほどあるんだけど……。


「……っていうか、どこから入ってきたの?」

私は晶くんと距離を取って窓の鍵を確認。

……鍵はちゃんと閉まってる。


「あー違う違う。ベランダからだと聖兄の部屋を通ることになるし、さすがにそれじゃバレちゃうから普通に玄関から」

「え、玄関!?」

「うん。だって鍵開いてたし」

「………」

……お母さん。ゴミ出しに行ってそのまま鍵を閉めてなかったんだ。これが本当にヤバい人だったらどうするの。無用心だな……。