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幼馴染のお兄ちゃん、私は彼の許嫁

第1章 幼馴染のお兄ちゃん
3節 夏目京子(なつめきょうこ)


「確実に、そういうことでしょ。真一さん、よくも今まで何も言わずにいてくれたよね。凄い忍耐力」

大学で、京子さんに相談するとそう言われた。

夏目京子(なつめきょうこ)さんは、幼稚園から一緒の1番仲良くしてくれている友人。

ご両親は、ファッションブランド「ナツメ」を展開しているデザイナー。

京子さんも、将来はデザインの道に進むものだと思っていたけど、実際に入ったのは私と同じ文学部文学科。

桜月学園には、ファッションなんかのデザインを学べる学部もあるのに、本人にそのつもりはなかったみたい。

「でもさ、許嫁なんて、お嬢様は大変だよね。真一さんの方はさ、凜子好き好きオーラ出しまくってるからいいけど、実際のところ凜子はどうなの? 真一さんとの結婚」

「よくわかんない……」

「だよね」

真一さんと結婚。

遠いと思っていた未来の話が、現実感なく近づいて来ている。

「ねえ、京子さん。人を好きになるって、どんな気持ち?」

そう聞くと、京子さん少しの間黙り込んで言った。

「……まあ、そうなるよね」

真一さんのことは好き。

でもそれは、小さい頃からお兄ちゃんとして慕っていた「好き」という気持ちで、結婚を見据えた「好き」という気持ちとは違うような気がする。

「中学も高校も、大学入ってからも、裏で真一さんが暗躍してたからね」


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