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幼馴染のお兄ちゃん、私は彼の許嫁

第1章 幼馴染のお兄ちゃん
1節 望月凜子(もちづきりんこ)


私、望月凜子(もちづきりんこ)。

桜月学園大学文学部文学科に所属する2年生。

今年成人をむかえる、19歳。

ごくごく普通の、いたって普通の女の子……って言いたいところだけど……。

「はい」

部屋の扉がノックされて、それに返事をすると、入って来たのはメイドの制服に身を包んだ女の人。

「お嬢様、志藤様がお見えになっております」

「ありがとう」

すぐに行くことを伝えると、メイドの彼女は部屋を出た。

そう。

私の家にはメイドがいる。

執事もいる。

私はいわゆるお嬢様ってやつ。

でも家が凄いってだけで、私自身はいたって普通の19歳の大学生。

――うん、よし!

鏡に映る自分を確認して、部屋を出る。

今日から新学期。

特に何があるってわけでもないけど、新学期って何か気合入っちゃうよね。

「お待たせ、真一さん」

玄関まで行くと、幼馴染の彼――志藤真一(しどうしんいち)さんが待っていた。

小さい頃からの付き合いで、幼馴染。

私にとっては、お兄ちゃんみたいな存在。

「おはよう、凜子ちゃん」

見慣れた姿に、聞き慣れた声。

優しい声音で、真一さんが言う。

「おはようございます」

あいさつを返すと、真一さんはふわりと笑う。


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