公園のベンチに彼女と座っていた。

彼女は、有名ブランドのサングラスを掛けてキャップを被っている。


僕もレイバンのサングラスを掛けてキャップを被っている。



ジーンズにスニーカーにTシャツにと二人は、まるで兄弟か何かのように似たような格好をしていた。


しかし、彼女は二十代の半ばで僕は四十代だったから周りから見たら親子に見えたかも知れない。


彼女は、結婚していたが、夫も愛して僕も愛してくれていたと思う。


それは、道徳とかそういう物を超えていたと思うしお互い当たり前の事だったのだ。


彼女は、白人系のクォーターだった。


しかし、彼女の美しさは、彼女がクォーターだからでは無くて何度も会ううちに内面と努力から来てると思えた。


彼女は、昔スケートをやってていてバレエもやっていたから体型の維持を自然に行えるような女の子だった。



雨が降るように或いは、二人が苦手な五月が必ず来るように自然にやっていた。



「尚ちゃん樹が青々としてるのってやだよね。どうしてだろうね?」


僕は、頷きながらも理由を探すのに少し困って答えた。


「クレア、それはなんて言うか自然の生命力に僕達は圧倒されるんじゃないかな?」


クレアと言うのは彼女の本名では無くてキリスト教徒の彼女の洗礼名だった。


彼女と偶然知り合って意気投合した時から
親しい人にはクレアと呼んで欲しいと言われた。


「アットーね?うわって来る感じかな?」


彼女は、海外での暮らしが長いために日本語の細かいニュアンスが分からない事があったが、今のはわざとふざけて言ったと思えた。


彼女の日本語は、ぼぼ完璧だったし読み書きも普通に出来たが日本の文化には時に戸惑っていた。