「花火、ここからでも、少し、見えるね。」

「小さいけどな。」

「うふふ。」

 そんなことをいいながら、手をつないで、帰り道へと向かう。すごく、満たされた気持ちで。

 遼が、見ていてくれる。自信のない私も、カッコ悪い私も、それから、少しだけ、かわいい私も。

 だから、きっと、なんとか、やってゆける。
 来年は、きっと、今より、いい女になってみせる。遼の隣りで。