〈雪side〉 「文化祭、もう明後日だね!」 栗色の髪がさらりと揺れて、可愛い君が笑う。 「そうだな」 もう随分と肌寒くなって、れるはダボダボのカーディガンを着ている。 なんていうか、まぁ可愛い。 色素が薄い髪も肌も瞳も、ぷっくりしたピンク色の唇も、長いまつげも。 華奢な体も、くるくる変わる表情も。 花が咲いたような笑顔も。 蒼を好きなくせに、友達のために傷付いて泣いてるところも、全部ほっとけなくて。