お姉ちゃんと何を話したの?って、



本当は聞きたいのに、自分からは聞けないあたし。



勇太は何もそのことには触れない。



そして、勇太はお姉ちゃんと何を話したのか結局教えてくれなかった。



あたしも聞けばいいのに、聞けないまま勇太に寄り添う。



ベットの中は二人の体温が重なり合って温かくて、



ずっとこのままいられたらいいのに……と心から思った。



「じゃあ、俺帰るよ」



着替え終えた勇太の言葉に現実に戻されるあたし。


「うん。また明日、学校でね」



急いで服を着て勇太を玄関まで見送る。



お姉ちゃんは出かけたのか、もう家にはいなかった。



「じゃあな」



「……うん」



手を振り、帰っていく勇太の背中を見送った後、



またあたしを襲ってくるのは複雑な想い。



苦しくて、切なくて、



それでいて惨めなあたしがそこにいた。



勇太と初めてひとつになっても満たされない、あたしの心。