「カノン、手繋ごっか??」



「うんっ」



あたしは木下カノン(きのしたかのん)、中学2年生。



隣にいるのは藍沢勇太(あいざわゆうた)



勇太は小学校の時からの友達。



友達……だったのは2週間前までの話。



今は勇太はあたしの『彼氏』なんだ。



そして初めて一緒に出掛ける日。



待ち合わせをした公園で、時間通りに来た勇太。



勇太は先に待っていたあたしの手を取り、



しっかりと手を繋いでくれた。



あたしの手を包む勇太の大きな手。



優しい笑顔。その声。



大好き。大好き。



大好きが止まらないあたしの想い。



あたしの『大好き』を全部勇太に捧げたい。