( ざわざわ ざわざわ )

店員

「 いらしゃいませ〜 何名様ですか?」



「4名です」

( じゅぅ〜)

焼肉を焼く音が聞こえて来る。

ん〜 とっても良い匂い… 他のテーブルで焼いている、お肉の匂いは… 間違いのない食欲を誘ううってつけな感覚…

「いっただきまーす」

なんとも ずぼらなわたしです。

申し遅れました。私の名前は蘭


現在は、大人しいのに浪費家の旦那と、元気な二人の子供に恵まれた、世で言う専業主婦です。
なんとも平凡かつ、取り所のない生活です。

これから私が皆さんにするお話しは、実際に起きた出来事で、この話を封印する為に最後に自分へのけじめとして…

カッコ良く言えば… 本当は思い出としてとって起きたいのに取っておくことが、環境上難しい為にコッソリとしたステキな出会いのお話しです。


かれこれさかのぼると…

アレは、10年位前の話です。

その頃のうちは、旦那の転勤によりかなり遠い所迄引越しをしました…

右も左もわからない場所… 会社の関係で何人か知りあいは居ましたが特にこの人って言う程仲が良い訳でも無いし… たまに家に訪問客が来るとすれば、旦那の独身上司がご飯を食べに来るくらい…

やっと慣れてきた頃、子供の繋がりでママ友も何人か出来ました。でも、なんだか日々退屈な毎日でした。

話しと言えば、子供の話と旦那の愚痴話ばかり…

もっと自分が楽しめる場所? 無いのかなぁ…
せっかく専業主婦してるのに…

趣味に没頭しようが、若い彼氏を作ろうがドロドロに元彼との再会を期待しようが…
あの時の私には気がつくどころか…
関心を持つ事さえも出来て居なかったのです

その頃のに出逢ったママ友の一人、エリ。
年は私より4つ上… 地元は九州の人でした。
私は、元々関東生まれの関東育ち…

世で言う、標準装備の標準語です。

エリは、九州生まれで育ったのも九州だったのですが、都内で働いて居た時間が長く…
あまり地方訛りの無い人で…
考え方もなんと言うか、ひたすら前向き…

彼女の今でも凄い所は、今迄付き合った彼氏は今でも彼女の事を溺愛してると断言をする位前向きで…

でも、そんな彼女ですが警戒心が人一倍強く、そんなに大恋愛してたなら、その彼達と会ってみたら?って言う話から事の発端が始まったのです。

ご存知に通り

俗世には、多々、ママ友グループが存在します。
日常を助け合うだけの、平和主義ママ友グループ

例えば、お醤油や卵、牛乳が無くなれば具に共有する事を惜しまず、世の為って感じに差し出す… 忠誠を守り、決して外には汚い事を口外せずには、キャンプで言えば隅の方でごみを拾い集めては、ゴミ箱に持って行く…
炊事の野菜斬りを率先として行う…

ごみの管理は完璧で、もし学校にいたら、目立たぬ学級委員タイプ


派手な目立ちたがりママグループ

子供や旦那がどれだけ、トロフィーであるかを競うタイプ

子供が読者モデルをしていたり、旦那がソコソコの一部上場企業の管理をしているお偉いさん… 自分以外の人間をダシにつかいさぞも自分がトロフィーを取った様なタイプの奥さん… 結局、人の力無しでは生きられないことを知っている、だから他人の要素をすべて小出しで毎日気位だけが走馬灯の塔の様に高い奥さん

キャンプで言うと、話してばっかりで、手を動かさない… キャンプに来てるんだかどこに来てるんだか解って無い人

それと一匹オオカミ個人主義ママ

自分からは連絡しないわよぉ〜って顔して、スーパーに買い物に出かける… 他人の目が本当は死ぬ程気になるから、つねに小綺麗にお化粧や着るものは、かかさず雑誌でチェック。 人と接するには本当は嫌いじゃ無いけど、人に接したがゆえ、我儘をとおして上手くいかなかった人に多いタイプ…
挨拶程度はするけど、それ以上の自分の家庭の話は一切しない…

キャンプで言うと、キャンプ場にいても、テントから出て来ないで、いきなりご飯の集合がかかると、何処ぞとなくやってくる…


更にもう一つ

不倫にしか興味の無いまさに、男が合って人生が成り立つと考える、天才なんだかだらしないんだか、解らない男好きなママチーム

こう言うお母さんは、絶対に行きたく無い場所ホストクラブ…
元をただせば天然ホステス…

元々男に尽くさせる事に命を懸けているから、自分の自己犠牲なんてあり得ない…
旦那や子供が自分の為にいるため、子離れが出来ず、最終的には子供や旦那の犠牲になるのを知らず、ひたすら唯我独尊だと信じミイラ取りになり易いミイラ…

料理ばかり運び続けて、気がついたら、片付ける順番まで押しつけられている人

大きく分けるとこの四つ…

エリはまさに、派手で目立ちたがり屋なママに属したい、一匹オオカミ個人主義タイプだった。

隠れ目立ちたがり屋って言うのかなぁ。

そんな彼女が私の近くにいた…

そんな中、たまたま旦那の同僚が奥さんを紹介したいと言い始めご近所だった為、家に来る事になったのです。

飲み会のセッティングを考えながらどんな人が来るんだろう…
酒飲みだと言う事で、ちょっと嬉しかったんです。だってうちの旦那は酒を飲まない人なので…

心の中でウキウキしながら、その夫婦をまちました。

( ピンポーン)

あっ!来た!!