ケータイ小説 野いちご

春が来たら、桜の花びら降らせてね

❁Chapter2❁
燃ゆる、藍色の恋


【冬菜side】

体育祭から一週間が経った、日曜日。
ついに、夏休みに入った。

私は手作りお弁当を手に、愛犬のベリーを連れて、家から5分ほどの距離にある、公園へとやって来ている。

お散歩コース以外は芝生で出来ており、中央にはアヒルさんボートにも乗れる大きな沼がある。

もう少し歩くと、噴水広場があり、いつもなら出ない噴水の水も、夏の季節限定で吹き上げるようにして、周りを囲みはしゃぐ子供たちに降り注いでいた。

「ベリー、良かったね」

夏休みだからか、冬にはぽつりぽつりとしか人がいない公園も、テーマパークに変わってしまったかのような賑わいを見せている。

私はつい人目を気にしてしまい、小声でベリーに話しかけた。

どうして、こんな所にいるのかというと……。
私は、体育祭の日の夏樹君との会話を思い出す。

『勝った褒美に、冬菜の日曜日がほしいって言ったら怒る?』

体育祭でした、夏樹君との約束があったからだ。

今日は、その約束の日曜日。
この公園で、夏樹君と犬の散歩をする約束をしていた。

私は待ち合わせの場所の定番である、公園の時計台の下で夏樹君を待つ。


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