それからどのくらい時間が経ったのだろう?

「んっ……」
 
朝の日差しで俺は目を覚ます。

「あれ……寝ていたのか?」
 
あのまま寝落ちしてしまったのか。まあ……当然か、昨日は魔力を消費しすぎたし体を張った。疲れて寝てしまったのは仕方がない。

そして体がだるい……。
 
いつもなら十時まで寝ているが、今はそういうわけにはいかない。早く屋敷のあった場所に戻って、ミリィが来る前に建て直さないと。
 
そう想いながら体を動かそうとした時、誰かに体を抱きしめられている事に気がついた。

「?」
 
何だろと思いながら視線を下に下げると、そこには寝息を立てているオフィーリアの姿があった。

「オフィーリア……」
 
俺は軽く笑って彼女の頬を指先でなぞる。彼女は安心しきった表情で寝ている。
 
うん、とても可愛い寝顔だ。きっと今まで寝れなかった分、ぐっすりと眠れているのだろう。

だが無防備だ。俺が紳士じゃなかったらとっくに襲っているところだ。

なので悪いけどそろそろ起きてもらいたい。本当はこのまま寝かせてあげたいけど。

屋敷の立て直し、アルファの魔法よって吹き飛んだ木々の植え治し、穴があいた地面など、何もなかったようにしなければならない。

「お〜い、オフィーリア。起きて下さい」

「うぅん……」
 
彼女はまだ起きたくないとでも言うように表情を歪める。
 
か、可愛い……。
 
フトそんな事を思ってしまい心臓が大きく跳ねる。オフィーリアは眠そうに目をこすりながら、あちこちに視線を向ける。