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何が悪かったのかをよく考えて。いい? このぐちゃぐちゃになった頭の中を整理するのよ。
高瀬麗《たかせ うらら》! 今、人生最大のピンチなのよ。考えないでどうするのよ。混乱してる場合じゃないの!
助けて、助けて!
そんな助けてだなんて泣いたって仕方ないじゃない。ああ、もう。何でこんなことになってるの!?
いや。やっぱりわたしが悪いの? まともに生きてきたはずだった。
ただ、わたしは……。
「大丈夫かい?」
暑い。まだ六月だというのに、このわたしを責めるような太陽は何?
落ち込んでるんだから、ドラマ的に雨が降ってもいいじゃない。悲劇のヒロインくらい演じさせてよ。
ヒロインって年齢でもないか。もう二十八歳。三十路目前じゃない。
そういえば今、声かけられた?
「お嬢さん大丈夫かい? スーツも乱れちゃって、せっかくアップにした髪も」
「はい、大丈夫……です」