ゆっくり、ゆっくりと。 意識が沈んでいく。 暗くて、何もなくて、何も感じない。 そこへ私は引きずり込まれていく。 大好きな2人を側で感じているのに。 引きずり込まれながらその気配は少しずつ消えていく。 そしてたくさんの幸福の中で誰かが縋るように言うんだ。 「お願い。行かないで、紗久」