「いらっしゃいませ」


「こんにちは」


「今日はどういったものをお探しですか??」


「そうねえ…」


私、環月佐那(カンヅキ サナ)は今年29歳になる、業界ではそれなりに名の知れたアパレルの主任を任されていた。


若者向けからある程度の年代層まで幅広く取り扱う[KAruMA]。


学生時代から憧れのファッションブランドとして崇め愛着を持ち、服飾の専門学校を卒業後、この会社のみを第一志望としていた。


その甲斐あって無事就職でき、数店舗で経験を重ね、来年には勤続10年になろうとしていた。


常連のお客様もつき、キャリアウーマン向けの商品も扱っていた。


店舗はテナントビルの1階。全5階建てで上の階にはメンズファッションや、化粧品会社のブランドも取り扱っていた。