食事の後にもいくつか質問をしたけれど、桐嶋先輩は終始渋い顔をしていた。


自分の考えが正しいかどうかわからないことと、周囲の目を気にしているからだろう。


だけど、わかった事もいくつかあった。


イジメている側が、イジメられる側に名前を知られてはならない。


それはイジメている側が反撃をされないようにするためのものらしい。


今の世の中にはネットという世界がある。


それを最大限に駆使してイジメることが最も効率的なのだそうだ。


確かに、ネットを使えば自分の名前を知られる心配はない。


しかし相手からすれば自分の悪口を書いたのが誰だかわからない状況にあるのだ。


精神的な打撃は大きいはずだった。


ネット上で複数の人物から悪口を言われて、気にならない人なんてきっといないだろう。


ネットで1つ悪口を載せれば、それはあっという間に広まって行き、嘘も本当もごちゃ混ぜになっていく。


人の悪意ほど感染しやすいものはない。


後は学校でボロを出さないように気をつけていればいいだけだ。