翌朝。

今日は年に一度の紅祭りということで、学校は午前で終了することになっている。

朝のホームルームで、

「お前ら、祭りだといってもハメを外しすぎないように。

今日は午前授業だからといって、気を抜かずに授業を受けるんだぞー」

と担任の田岡(タオカ)先生は言った。


だけど、私は授業中ずっとお祭りのことで頭がいっぱいだった。

出店どこに行こうかな?

フランクフルトは絶対食べたいよね。

そういえば、隣の大山(オオヤマ)さんのおばちゃんが屋台で綿飴やるって言っていたっけ。


「じゃあこの問三を…今居解いてみろ」

「あっ、えっ?」


ぼーっとしていた麗香が、突然先生に当てられて焦っている。

どうやら、麗香も祭りのことを考えるのに夢中だったみたい。

私は思わずクスッと笑ってしまった。


いつもより授業はあっという間に終わった。


学校から家までの帰り道。