麗香と約束していた四時半ちょうどに、私は待ち合せ場所の神社の前にいた。

神主さんの家を抜いて、神社に一番近い家は私の家だ。

だから、家から神社までそうかからなかった。


お祭りの関係者の人や、他にも誰かを待っているのだと思われる人がたくさんいたが、麗香の姿は見当たらない。

思ったとおり…麗香は遅刻。


こうなることくらいわかってたんだから、もうちょっと遅くに家を出るべきだったな…と後悔。


結局十五分後に、麗香は現れた。


「ごめんごめん、ちょっと昼寝してたら遅れちゃった!」


あまり反省の色のない謝罪をされる。


「もう…麗香ったら」


そう言っているところへ、ゾロゾロとたくさんの村の男の人達が神社の前を通った。

その中には、今年の捧げ者の小枝さんの姿もある。