仕事を終えて着替えていると優子さんが声をかけてきた。

「綾乃ちゃん、これつけて行きなさーい!」

そう言って渡してきたのは淡い黄色のコットンパールのイヤリングとブレスレット。

ところどころにクラック水晶の水色がアクセントに入っているブレスレットとイヤリングはとっても可愛い。

私は今日は先取り初夏のファッションコーデなのでとても合う。


さすが優子さん。
私の今日のマリンコーデに合うアクセサリーを見繕ってくれたらしい。


「それにしてもシャルルさん私なんかと二人で食事ってホントにいいんでしょうか?優子さんも行きませんか?」


「やーよ!シャルは綾乃ちゃんと二人がいいって言ってたんでしょ?」


「はい、でもなんででしょう?初対面の小娘と二人とか楽しいですかねぇ?」

首を傾げて優子さんに疑問を投げかける


「ちょ……、綾乃ちゃんどう考えても仕事の後に二人きりで食事に行きたいってデートのお誘いでしょうに!若いって言うのに恋愛方面は本当に興味示さないんだから。」


呆れ顔の優子さん。


「えぇ?!これってデートのお誘いだったんですか?」

全くそんな風に思いませんでした。
気づきませんでした。

あんな大人なイケメンの男性にデートに誘われるとか想像もしてませんよ?


いったいどうして?

こんな平凡でどこかに行けば埋もれるような容姿の純日本人の何処に興味を示されたのか分かりませーん。


まぁ、日本人のこの世代の興味関心が知りたいとかかな?

シャルルさんもアパレル関連業の方っぽいしね。

きっとそんなんだよね。

そう位置づけて納得した私の顔を見て

「あー、こりゃ前途多難ね。シャル頑張れー。」

そう呟く優子さんの声は私の耳には入らなかった。