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 カーテンの隙間から明るい光が零れる。

「…………」

 朦朧とした意識の中、昨夜の苦悩がうっすらと浮かび上がる。


 あれは現実だったんだろうか? それとも夢…? あたしの運命の相手…。


 右手を布団の中から出して目の前に広げてみる。その小指にはa2から貰った銀の指輪が輝いていた。

「……現実だ」

 自分で運命の相手を選ばなければならないという重荷に、理奈の胸は苦しくなる。


 あと三日…。それまでに答えを出さなきゃ……。


「はぁーっ……」

 溜まった不安を吐き出す様にして大きな溜息を吐いた。